学府長挨拶

新時代に向けたシステム情報科学


2021年4月に九州大学大学院システム情報科学府は新しい組織構成に変更しました。急速に変化する新時代に向けて、情報系分野ではAI・数理・データサイエンス分野の上位エキスパート人材の養成を目的とし、電気電子工学系分野ではハードウェアの面から情報分野の発展と社会基盤の構築に貢献する人材の育成を目的としています。このために、情報学専攻と情報知能工学専攻を統合して新しく情報理工学専攻を設置しました。これにより、理論と実装の力を兼ね備えた人材の育成を推進します。また、新しい情報理工学専攻修士課程に、情報アーキテクチャ・セキュリティコース、データサイエンスコース、AI・ロボティクスコースの3コースを設けました。電気電子工学専攻修士課程においても、既存のコースを情報デバイス・システムコースとエネルギーデバイス・システムコースに再編しました。これらの計5つのコースはいずれも、学生が学んだ内容を社会で活かす対象に対応しています。すなわち、専攻名称が表す専門分野の理論や基盤知識と、コース名称が示す社会での活用の両面の教育を行う体制にしています。入学を考えている方々や修了生の採用を考えている方々にも、何を専門としてどういう場で活躍できる人材の教育であるかがわかりやすくなっていると自負しています。

九州大学システム情報科学府・研究院は、情報科学分野と電気電子工学分野が一体となった国内主要大学でも稀な大学院教育研究組織です。今後、IoT(Internet of Things)やAI(Artificial Intelligence)などの技術が発展し、Society5.0と称されるように工業、農業、商業、運輸、教育、医療、防災、生活など社会のあらゆる面でこれらの技術が活用され、それによって持続可能で豊かな社会が実現されると期待されます。これを担うセンシング、通信、データ解析、意思決定、制御などの技術、また、これらの基礎となる理論、さらに、これらの実装に不可欠な基盤である電子デバイス、エネルギー供給の全体にわたる総合的な教育と研究を推進していきます。今後の社会での活発な活用を考えると、情報科学分野と電気電子工学分野は個々に独立した分野ではなく、相互に密接に結びついた分野となっています。これを私たちは「システム情報科学」と呼んでいます。

新しく組織変更された大学院教育組織であるシステム情報科学府、大学院研究組織であるシステム情報科学研究院、および同研究院内外に設置されている関連分野の研究教育を行う、光・量子プロセス研究開発compセンター、先進電気推進飛行体研究センター、数理・データサイエンス教育研究センター、五感応用デバイス研究開発センター、日本エジプト科学技術連携センター、プラズマナノ界面工学センター、情報基盤研究開発センター、超伝導システム科学研究センター、システムLSI研究センターが密接に協力しながら、新時代に向けたシステム情報科学についての研究を推進し、また、その人材を育成し、安心安全でより人間性豊かな社会の構築に貢献していきます。

九州大学大学院システム情報科学研究院/学府
研究院(学府)長
村田 純一